「あたしとエッチしたいだけ?」「いや、君のすべてが好きだ」なんて押し問答をする前に読んでおきたい!~もしもソクラテスに口説かれたら~
君の「顔」が好きなんだ、他はどうでも良い!と言われるのは嫌だし、「財産」(ないけど)や「学歴」(ないけど)だけが魅力的だ!と言われると、悲しくなります。
しかし、ソクラテスの口説き文句はそのどちらでもないのですね。
普通は口説くとき「君は美しい」とか「君の瞳がどうのこうの」とか言うと思うのですが、彼の場合だと「君の瞳がどうなっていようと、瞳なんてなかろうと、もっと言うと、顔や姿なんて見えなくても良いよ!メールだけのやり取りでも良い。僕は君の“魂”を愛しているのだから!」という解釈ができるわけです。
この「魂を愛する」という考え方が実はくせもので、ソクラテスはまず「人間と身体は別物だ」と捉えています。さらに「身体を使っているのは“魂”である」と主張します。
(※「魂」を「心」に置き換えるとわかりやすいかも。例えば、「手をあげよう」と思う時、心で思ったことが原因で手が上がりますよね)
そして「人間=魂」であると考えています。
この考え方を認めるとその帰結として「人を愛するのは、魂を愛することだ。身体を愛しても、その人を愛したことにならない」という解釈も認めなければいけなくなります。