ホームレスの価値を伝えたくて、ホームレスになった男
(Photo by Ignat Gorazd)
東京都心部の緑豊かな公園。
平日はサラリーマンの憩いの場、休日はカップルやファミリーで賑わうスポットに、不思議なカフェがある。
緑の地を進むと、現れたのはブルーシートで作られたテントと簡易的な椅子。
机の上にはたくさんの食べ物やお茶が並べられている。まるで宴会のようだ。
お客さんはスーツのお父さんや外国人、身なりのきちんとした女性、お年寄りなど。
そして、経営者は公園在住の2人のホームレスだ。
公式ホームページのないカフェ「エノアール」
(Photo by 新宿区ダンボール絵画研究会)
東京都内の各公園には、ホームレスの人々が暮らしている一画、通称「テント村」がある。
2003年、自ら率先してこのテント村の住人になった2人のアーティストがいた。
小川てつオといちむらみさこである。
彼らは社会から隔絶され排除されるホームレスの新しい可能性を見出すため「エノアール」という物々交換カフェを始めた。
店舗はない。