2016年7月13日 07:27
ホームレスの価値を伝えたくて、ホームレスになった男
あるのはブルーシートのテントと公園の敷地だけ。
公式ホームページもなければ、メディアで大きく取材を受けることもしていない。
明確なメニューもないが、お茶や食べ物などは豊富に揃っているらしい。
そして、エノアールには金銭でやり取りをするという常識もない。
ここは、「物々交換」で成り立つカフェなのだ。
お茶が飲みたければ、お金以外の「お茶に見合う何か」を差し出すことが、このカフェのルールだ。
公式ホームページがないため、エノアールの主な情報はカフェを訪れた人々が発信源だ。
「今日たまたま公園を歩いていたら、ついにエノアールを見つけたので行ってみた!」という人もいる。
まるで幻のカフェである。
客層は老若男女問わず、職業も国籍も問わない。
興味本位で訪れる観光客もいるし、公園生活を熟知している玄人が集まる日もある。
支援団体や思想家が訪れることもあるので、いつも穏やかなわけではないらしい。
自治体の整備の影響で、移転を余儀なくされたこともあるのだとか。