大事なのは私欲を捨てること。“自己犠牲の精神”が宿るポートランドから生まれた「利益0円の飲み屋」を成功へと導いた男。
と世界的に話題になったが、今も変わらず地域に溶け込んだ存在なのだろうか?“もちろん!幸運なことに、この4年間ずっとコミュニティの理解と協力を得て、当初の「みんなで楽しく社会貢献」のミッションを保って運営しているよ。逆に言えば、この考え方をサポートしたいというコミュニティがなければ、成り立たないビジネスモデルだからね”確かに利益の全てをNPOに寄付するためには、地域コミュニティの理解と協力が不可欠であろう。そんなお店を支えてくれる理想的なコミュニティを求めてライアン氏が選んだのは「ウッドローン」と呼ばれる昔からアフリカン・アメリカンの人口が多い住宅街。地価はそれほど高くなく、レストランがいくつかあり、近隣で働く人も多いという古き良きワーキングクラスのネイバーフッドである。地元の人々がもたらす「コミュニティの質」こそが、オレゴンパブリックハウスが4年経った今も息を切らすことなく持続している原動力であることは言うまでもない。
コミュニティのメンバーは、このような出会いや、そこから生まれる「無償の行為」を見守ってきたわけだ。それはきっとこの店を誇りに思う理由になるに違いない。