「悩みなさそう、の一言が辛かった」。精神病と闘った日本人3人に聞いた、周囲に対するリアルな本音。
それに誰かに相談すると説教されることが多くて、あまり攻めないでーってなっちゃうから。だから自分の状況を人に話して仕方ないよねって言ってもらえると気が楽になれたし、逆に、普段明るく振る舞うタイプだから人に話せないことの方が多くて、悩みなさそうだね、みたいな言い方されるとすごく嫌だったんだよね。当時、不眠症にもなってたから朝起きられなかったし、ずっとぼーっとしちゃって頭に何も情報が入らなかった。大学では理解してくれる教授もいたけど、不眠症=夜遊びって考える教授もいたからきつかったかな。
こーたさん(31)
自身の経験を話してくれた彼らのように、学業や仕事をこなしながらカウンセリングへ通い、精神的バランスを整えようとする人は少なくない。学校や仕事に取り組む人から社会生活を送ることが困難な人まで、悩みやストレスの原因と程度は人によって様々であり、例えるならば異なった色をもつグラデーションなのだ。精神的に健康な人、不健康な人と2つに分けるのではなく、もっと一人ひとりの気持ちに耳を傾ける必要があるのではないか。また、理解をしてもらえるだろうかという不安から周囲に相談することに抵抗を感じたり、頼るということが下手な人だっている。