「“誰でもいい”は多数派に加担することと同義」。「投票したい人」がいなくても選挙に行くべき理由。
と答えたら、少数派だった和食の声はより尊重されて、「パスタも和食もある店探そう」とか、「ランチは二手に分かれてデザートで合流しよう」とか議論が深まったでしょうし、「インドカレー食べたい」とか新たな選択肢を提示したら、それはそれでパスタ勢の1人が「あ、私も」とか動くかもしれないし、結局あなたもパスタ派だったとしても、3:2と4:2がつくる結果は誰が見ても納得の具合が違うんじゃないでしょうか。そして何より、きちんと意思表示に参加したあなた自身が、自分はそこに居る当事者の1人であることを自覚するのではないでしょうか。「選ばないこと」は意思表示になりません。「ない」ものは「ない」。選挙で大事なのは、ベストな候補を見つけることではなく、少しでもベターな候補を選び、ワーストに勝たせないことにあります。たとえ「-100」と「-130」と「-200」の候補しか居なかったとしても、「-100」を選んで「-130」と「-200」の比重を減らすことはできます。これが本当の「意思表示」です。
BENIKO HASHIMOTO(橋本 紅子)神奈川県出身。
音楽大学卒業後、アパレル販売をしながらシンガーソングライターとして活動を続ける。