「消費=幸せ」ではなくなった日本人へ。渋谷区在住ヒッピーが語る、“今”に満たされる豊かな村生活の魅力
口コミだけで地球の裏側まで伝え、数日間で2,000人〜10,000人が一つの場所に集まるという。そんなヒッピーたちが独自に築いてきた、ゆるっと繋がっている「友達の感覚」や、一瞬で拡散する「口コミネットワーク」は、今のSNSと似ていると鯉谷氏は言う。
Photo by Yoshihiro Koitani
鯉谷氏のように今の社会システムに危機感を感じたソーシャルヒッピーたちは、都会から地方へ移住し、自分たちが理想とする村“Coビレッジ”をつくっているのだ。Coビレッジをつくっているのが、当時のヒッピーかと言われるとちょっと違うと思います。どっちかというと、都会でバリバリやっていたクリエイター層が田舎に移り住み、コミュニティをつくり始めたという方がしっくりきますね。最近、資本主義社会や貨幣経済に疲れてしまった都市に暮らす感度の高い人々が、海外や日本でも増加しているように思う。そして彼らは、「農的な暮らし」や「地域の繋がりを大切にした暮らし」、「今の経済システムから離れた新しい経済圏やコミュニティ」を求め、お金を介さず、コミュニティのために自発的に自分のできることをする“ギフト経済”が成り立つような村を世界各地につくっている。