「次世代の幸せのヒントは“農”にある」。オンライン農学校を展開する農村のトレジャーハンター
そしてその裏山の雑木を剪定したものが薪木となって釜戸でご飯が炊かれる。水田以外に畑があり、自分たちが作った野菜を祖母やお袋が美味しい料理にしてくれて食卓に並べてくれた。今思うと、なんて豊かな暮らしなんだろうと思うけど、当時はそういう農村の暮らしがダサいと思ってました。「ここには何にも無い!」という虚無感みたいなものが大きかったように思います。大学から東京に出て都会の暮らしに慣れ、当たり前のようにビジネスの世界に飛び込んで生きていくなかで、もっと美味しいものを食べたい、もっと健康的に暮らしたい、などの欲求が大きくなっていきました。そんな時に子どもの頃を思い出してみると、農村の「当たり前の日常」がいかに素晴らしいことだったのかということと、実は「あそこにすべてあったんだ!」と気付かされました。旬の野菜をその季節に食べる。自分たちが食べたいものは自分たちの手で作る。
無いものは作ればいい。この「足るを知る」精神がカッコイイと思えるようになりました
弱肉強食の資本主義に疲れてしまう人は少なくない。資本主義の洗礼を浴びた一人として、「低燃費な最小単位の生活の面白さ」がある農村の暮らし方にこそ、次の新しい時代を切り拓いていく“知恵”が溢れているように思ったのだそう。