世界を飛び回るコペンハーゲン育ちの日本人クリエイターが明かす、デンマークデザインの神髄
しかも、国が小さくて人口も少ないから競争相手も多くない。さらに地理上、デンマークはヨーロッパ大陸と北欧の結節点にあるから、もともとインターナショナルなマインドもある。何をやっても否定されない文化も根づいている。こういう環境だからこそ、デンマークにはいいデザイナーやアーティストが育っているんだと思います。そして、僕もその恩恵を受けたひとりなんです。
Photo by Robert Lawrence in Andes
葛藤。そして新たな挑戦へ
Photo by Robert Lawrence in Pacomarca
ー実際にトップまで駆け上がった聡さんだからこそ説得力があります。その後、どういう経緯でThe Inoue Brothersをつくったんですか?デンマークの頂点が見えてきて、次はヨーロッパ、世界へと進もうとしていたときに、仕事に違和感を抱くようになったんです。仕事の内容や規模が大きくなっていくほど、打ち合わせは契約書の確認になっていき、デザインはまず最初にコンプライアンスに準じないといけなくなったり。「全然自由にクリエイティブな仕事できないじゃん」って。弟もヴィダルサスーンで当時史上最年少でアートディレクターに就任。