「苦しいなら逃げてもいい」。20代の臨床心理士が、我慢を美しいと考える日本人に伝えたいこと
筆者が臨床心理士のKANAの存在を知ったのは、何気なくインスタグラムを見ていたときだった。そこでたまたま見つけたのが彼女の、渋谷で統合失調症を抱える女性と出会ったときの話を綴った投稿で、現在までに27,500以上の「いいね!」を集めている。知り合いに伝えるつもりで発信した彼女にとって、その反響は予想外だったという。今回Be inspired!は、20代の臨床心理士である彼女にコンタクトをとり、彼女が自分自身の目を通して、人に悩みを打ち明けにくい日本社会をどう見ているのか話を聞いてみた。
少し前には最近でも耳にする“メンヘラ*1”という言葉がネットスラングとして使われるようになり、精神疾患が身近なものになったようにも思える。しかし、その言葉のせいで病気を軽いものとしかとらえられない人たちもいるようだ。「“メンヘラ”という言葉が流行ったことが関係あるのかはわかりませんが」と前置きをしつつ、彼女はこう話す。
精神科は怖いっていうイメージがあったかもしれないけど、すごく精神科の敷居が低くなってきています。
眠れないとかちょっと落ち込んじゃったとかっていうのでも割と足を運びやすくなったし、その“メンヘラ”っていう言葉ができて「病むのってこう分類化されるんだ」