くらし情報『“ナチスの根幹に関わった103歳の女性”の記憶を追うドキュメンタリー『ゲッベルスと私』の監督インタビュー』

2018年6月11日 02:37

“ナチスの根幹に関わった103歳の女性”の記憶を追うドキュメンタリー『ゲッベルスと私』の監督インタビュー

全編モノクロ、BGMは存在しない。これには色や音などの要素を可能な限り映像から削ぎ落とし、語り手であるポムゼルと一対一で対話しているような空間を演出する狙いがあったそうだ。作中に挿入される第二次世界大戦やナチスに関するアーカイヴ映像へと意識をスムーズに移行させる効果もある。

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© 2016 BLACKBOX FILM & MEDIENPRODUKTION GMBH
ポムゼルはまだ子どもだった第一次世界大戦の終わりの頃の記憶から、政治には興味がないものの新リーダー・ヒトラーの勝利を祝った青春時代、友人よりも高収入で気分の良かったゲッベルスの秘書時代、ユダヤ人の親友エヴァについて、そして第二次世界大戦終戦までの記憶を淡々と語る。混乱と悲痛の記憶の合間合間に、狂気の歴史として人々に知られているナチス政権下の当時のドイツについて、時に大切な思い出かのように話す彼女の言葉はあまりにも正直で、詩的ですらある。だがもちろんポムゼルの上司がナチスのなかでも多大な影響力を持ったゲッベルスだったということを忘れてはいけない。メディアや娯楽を巧みに使い、“ドイツ国民”の反ユダヤ思想を煽った張本人である。

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