#005 「お茶しよ」ってコーヒー飲んでない?85年間続く、宮城の茶屋・三代目に聞いた“忘れ去れし”お茶の魅力|EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」
正直な話、日本茶の生産量も消費量も減っている。インタビューの中で出た話は、決して明るいものだけではなかった。矢部園がある宮城県塩竈市は、東日本大震災で被害を受けた地域でもある。しんみりした話を聞く中で、泣きそうになりながら、それでも最後に笑えたのは、紛れもなく矢部さんの人柄があったからだ。明るくエンタテイナーで、お茶を飲む人を楽しませようとするその姿勢に、僕と同じく誰もが惹かれているのだろう。間違いなく一番前を向いていたのは矢部さんだった。
グリーンて、Peace(ピース、平和)の色だよね
文字起こしなんて必要なく、心に突き刺さっていたこの言葉。日本茶を愛することを通じて人を愛する。
確かな覚悟を持った矢部さんの生き様は、今の僕にとって学ぶことが多すぎた。
矢部 亨 / Toru Yabe
株式会社矢部園茶舗代表取締役社長。1968年生まれ。塩釜市立第三小学校卒業。その後、東北学院中・高を経て東北学院大学経済学部へ進学。大学卒業後はイトーヨーカドーに就職。95年より株式会社矢部園茶舗に入社。現在は同社代表に就任し、美味しいお茶とその文化を地域に伝えている。
お茶に関する資格試験「茶匠」