コーエン兄弟インタビュー 登場人物をいじめ抜くヤツらの流儀!
舞台となっているのは確かに僕らが育った場所なんだけど…。
ジョエル:その当時、僕らはダニー(※ラリーの息子)の年齢だった。でも僕らはダニーのキャラクターがなんらかの形で僕らを代弁するような存在だと思っていなかった。この設定の外側のストーリーの出来事は作り上げられたものだ。僕らはヘブライ学校に通い、バーミツバーの儀式(※ユダヤ系の少年が行う13歳の成人式)をし、同じようなコミュニティの中で暮らし、父親は(劇中のラリーと同じ)大学の教師だった。でも、ラリーとダニー親子に起こったことは、全てフィクションだよ。映画の中では音楽を聞いていたとしても、現実の僕らは授業中に音楽は聞かなかった。実際、ジミ・ヘンドリックスとか、何曲かは1967年以降のものだしね。
それでも、本作が2人の“私的な”映画であることをイーサンは否定しない。ジョエルはまた違った意見を持っているようだが…。
イーサン:ある意味ではそうだと思う。なぜ全部肯定しないかって?この映画で描いているのは、僕らが育った場所であり、時代だけど、起こることについては、自伝的なものではないから…。でも設定は大きいよね。それが物語の全体の感じを決めるから。