コーエン兄弟インタビュー 登場人物をいじめ抜くヤツらの流儀!
その意味では、ほかの映画とは違って、僕ら個人につながるものはあるかもしれないけど。
ジョエル:僕らがここで描いていることが僕らのほかの映画とは違っているように感じられるってこと?僕はそう思わないな。設定だけじゃないよね。“私的”ってどういう意味なのかな?僕らはユダヤ人だ。僕らがどこで育っていようが、それが僕らのアイデンディティの重要な部分を占めている。僕らはミネソタで育ち、ミッドウェスタンの感性に特徴づけられている。それが、僕らは何者かということだ。でも、映画を作る過程で、自分が何者かということが影響することは確かなことだ。
月に猿を送る映画だったとしてもね。まあ、みんながそんな風に言うのは理解できるけど。
それにしても、ラリーに押し寄せる運命は見ていて気の毒なほど…。なぜ、2人は、自分たちの映画の登場人物をいじめずにいられないのだろうか?
ジョエル:イーサンも言うように、良いことより、悪いことが起きる方が、より面白いストーリーのネタになるんだよ。悪いことの方が、別のことにつながっていくんだよね。7月にクリスマス映画を撮るようなものだ。宝くじに当たると何か悪いことが起きる。その方が、ストーリーがダイナミックになるんだ。