くらし情報『ジャーナリスト・武田頼政に聞く、八百長問題「いまこそ、転換する時期」』

ジャーナリスト・武田頼政に聞く、八百長問題「いまこそ、転換する時期」

の前には何でもやらかすことが証明されたのが興味深いところです。ただし、八百長は千秋楽の成績によってのみ解明できるほど単純ではありません。いわゆる星回しの存在をはじめ、相撲界が組織的に利益を融通し合う構造を育んだ、歴史的経緯にも目を向けるべきです」。

さらに、レヴィットとダブナーがこの潜在的な問題点として指摘するのが、相撲界特有の“ムラ社会”。武田氏に言わせれば、「日本は完成された社会主義国家だと言われますが、その典型が大相撲」とのこと。
「ピラミッドの頂点にいる横綱には、彼に流入する金銭的な利益をムラ長(オサ)として社会下部に還元する“義務”があり、その1つがシステムとしての八百長です。角界では古来から伝わる独特の隠語がありますが、それを駆使する彼らは、さらに花札博打などのマウンティングによって仲間であることを確認しているわけです」。

今回開かれた技量審査場所では入場料も無料、懸賞も取りやめとなった。
改めて相撲というスポーツと“インセンティブ”の関係について考えさせられる。「この映画が明らかにしたように、欲得のためだったら悪事も辞さないのが人間です。しかし現世利益を得るからこそよく働くのも人間です。

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