アンダーグラウンドからオスカーへ 隠れた名優ジョン・ホークスが語る「男」
ただ彼は家族を助けたいがために怒っていただけだ』って言われることが度々あったけど(苦笑)、それはともかく内面の変化が起こり、人生が変わっていくキャラクターはどの映画でも興味深いよね。ティアドロップは変化しながら、とても強い意志を持って自分の目標を達成する。そういう意味でも、とても演じ甲斐のある興味深いキャラクターだったね」。
実は、山村社会のリアリティを出すため、現地住民を役者と混在させて撮影を行った本作。不穏な空気が流れる独特の雰囲気に息を呑むこともしばしばだが、その中で違和感なくと言ったら失礼かもしれないが、見事に溶け込んでいる。ジョンは「かなり時間をかけてリサーチしたんだ」とふり返る。
「どの映画のどの役もいつも異なっているけど、特にティアドロップは僕の人生経験からかなりかけ離れたキャラクターだった。でも、僕は中西部の田舎町で育ったから、粗暴な人間ももちろん見てきた。
親戚や友達の中に荒くれ者がいたからね。だからまず、彼らのことを思い出した。あと、この映画のベースになった小説を読み、ドラッグが人間に与える影響についても勉強したし、(舞台となった)オザークの歴史についても調べたんだ。