『ウィンターズ・ボーン』D・グラニック監督「“闘う人間”の力の源を描きたかった」
ジェニファー自身、興味を持ってこのキャラクターを気に入ってくれたので、『じゃあ自分ならどうするのか?小さな家を脅かされる状況に陥った場合どうするのか?そのリスクにどう立ち向かうのか?』ということを彼女自身が感じていたことがとても大事だったわけです」。
不本意な生活環境や人間関係というものは誰しも生きていく中で少なからず経験するものだが、本作では17歳のリーがそことどう折り合いをつけ、大人の世界へと踏み出していくのかが観る者に共感を与える。奇しくもリーと同じ17歳という年齢は、本作以外にもこれまでに様々な映画で題材として描かれてきたが、監督自身、この「17歳」という年齢について思うことはあるのだろうか?
「15歳から16歳、17歳…における人生というのは、とても生々しいものだと思うんです。それは、極めて力を必要とする世代でもあって、自分が教えられてきたものが通じなかったりするような環境に追い込まれたりするものなんです。正しいことをするべきだと教えられたにも関わらず、多くの大人がそれを出来ていない、していないという状況に直面するわけです。それに対して、今度は反応しなければいけないわけですが、同時に『助けたい』という気持ちも残るのです。