【シネマモード】ヴァネッサ・パラディを手本に、どこまでもフレンチ・シックに。
動いた調子にちょっと中身が見えそうな…と、ドキドキ。ハリウッドならこの手のドレスはかなりバストの大きい女優にしか着せないでしょう。でも、そこはフランス。もちろんノーブラ、もちろんノー・ヌーブラ、もちろんノー・バストアップブラで、堂々と着こなしています。その姿が、「ああ、胸がなくてもこういうドレスを着ていいんだ!」とどれだけ多くの人を励ましてくれることか。でも、ポロリ覚悟で臨める度胸がなければ、着る資格はなさそうですが。
ファッションにまつわる様々な学びが詰まったスタイリッシュな映画ですが、物語の鍵となるのが、いまやスタイリッシュとは正反対の意味を持つ「ワクワク・ウェイク・ミーアップ」(By Wham!)と、『ダーティ・ダンシング』(’87)。でも、この微妙なネタの扱いが大胆かつ極めてキュートなので、180度ひっくり返って、ちょっとイカしているように感じられてくるから不思議。
そして、おしゃれに笑えます。全編通してスタイリッシュなこの作品、ファッションをはじめ、掘り起こし甲斐のあるネタ満載なので、自分だけのおしゃれのツボを見つけてみてください。
(text:June Makiguchi)