『わたしたちの宣戦布告』“最強コンビ”に接近 「私たちは本当の意味でコンビなの」
ジェレミー:いま彼女、いいこと言ったね。一年間ずっとこの映画のことを話してるけど、初めて聞いた話だよ(笑)。
ヴァレリーが言葉を発すれば、ジェレミーがここぞとばかりに合いの手を入れ、ひとたび笑いが起きる。2人の掛け合いを聞いているだけでも哀しむ時間など必要ないのだと思えてしまう。劇中のロメオとジュリエットも立ち止まる暇などなく、その突き進む姿には自然な笑いの要素が散りばめられている。
ジェレミー:僕たちは観客たちを人質に取るような映画にはしたくなかった。テーマ自体は凄くインパクトはあるんだけど、苦悩や哀しみを全面に出したくないし、実際にもそうだったんだ。誰にでも哀しいことはあるけど、それでもユーモアをもっていたいというのが現実じゃない?哀しいことがあって泣いていても、すぐその後には笑っている。
だからこの映画の中ではそういう現実を少し誇張しながら、哀しみや苦しみの中に笑いを取り込んでいったんだ。
ヴァレリー:“冗談”というもの自体、対象と距離を取る、慎ましいものよね。映画を撮るときには全てのものをコントロールできるものと思われがちなんだけど、現場にいろんな技術者やキャストがいる中で、現実が思った通りになることは絶対にないわけで、予想と現実の間でギャップが生まれるの。