メルヴィル・プポー インタビュー 監督は“『スター・ウォーズ』のヨーダ”のよう?
それが、5年前の彼の映画についての評論の言葉とそっくり同じだったんだ。『とても美しく、とても独創的で……一体何なのかよく分からない』(笑)!」。
幼くしてルイスの世界に足を踏み入れ、無垢な心で多くを吸収し、40歳を目前にしたいまも第一線で活躍し続けるメルヴィルだが、「俳優って、自然なものではないよ」と言う。「自分の感情をコントロールするのが仕事だからね。“自然”に抗う仕事と言ってもいい。ある感情を作り出し、それを制御しながら表現する。大変な仕事だよ。母が映画宣伝をしていた縁で、ラウルに見いだされて仕事を始めたけど、周りはハチャメチャな大人ばかりだった。
クレイジーな人間に成長したっておかしくなかったかもしれない(笑)。それにしても今回日本に来たら、大勢のファンに囲まれて…。何だかシュールだよ」と微笑むメルヴィル本人は地に足のついた印象だ。その分、スクリーン上で彼は冒険する。女装姿が美しい『Laurence Anyways』(原題/来年公開予定)を始め、俳優として。そして自ら監督する自主映画の数々でも。
近況を聞かれると、「ラウルが作るはずだった映画を撮り終えたばかりなんだ。彼の奥さんが代わりに監督を務めて、ラウルの作品に出演した俳優たちが集結した。