「こじらせるだけ、こじらせて」元祖“こじらせ女子”が贈る応援歌…映画『受難』
そんな吉田監督の最新作が、“あそこに人面瘡ができてしまう”という奇抜な設定の本作。姫野カオルコさんの原作を読み、処女である主人公・フランチェス子に共感したと語る吉田監督は、自身も29歳まで交際経験がなく、「自分なんて誰も好きになってくれない!」というまさに監督自身が”こじらせ女子”だったのだ。
当時、吉田監督が持っていた「男性に受け入れてもらえない」「私なんてどうせ…」というジレンマは本作にも盛り込まれている。ヒロインのフランチェス子については、「彼女の場合、“こじらせ”っぷりが突き抜けていて、『私が男性に受け入れられないのは、当然のことでしょう』というスタンスが気持ちいいんですよね」とその突き抜けた感性に共感。だからこそ、「そんなフランチェス子を実写化するにあたり、私なりに希望を持たせてあげたかったんです」と本作のテーマについて話した。
いま世の中には、恋愛に対して常にエンジン全開の、いわゆる“肉食系女子”が増加中といわれているが、監督は自身をあまり感情をむき出しにしない「省エネタイプ」の女子と分析する。「自分なんかどうでもいいんです(笑)」と、やや自虐的ともいえる話しぶりだ。