“巨匠”北野武、監督駆け出しの頃の思い出語る「悪口ばかり言われてた」
とクリスチャン・ジュンヌ氏(カンヌ映画祭代表補佐)も登壇し、日本映画について議論が交わされた。
日本映画に興味を持つきっかけとして、黒澤明や溝口健二、小津安二郎などの名監督の名を挙げたレインズ氏とジュンヌ氏。最近の日本映画について、レインズ氏は「映画の未来は今、この舞台の上にいる若い監督たちによって作られます。かのオーソン・ウェルズ監督(『市民ケーン』など)の有名な言葉で、『彼らは、未来を使い果たしてしまった』というものがありますが、大会社による映画製作は終焉を迎えています」と自身の見解を語る。
これにジュンヌ氏も同意し、「映画の未来は若手監督にあり、これは日本映画に限らず、全世界的な映画製作について言えることです。世の中の変化と共に監督も変わり、映画のメッセージもその伝え方も変わるでしょう。若手監督の皆さんが伝えたいメッセージを発信できることを願っています」と胸の内を明かした。
いまでこそ“巨匠”と呼ばれ、カンヌ・ヴェネチア・ベルリンなどの海外の映画祭でも大勢のファンを抱える北野監督。
この日は、映画監督として駆け出しの頃のエピソードも披露した。「日本で作品の悪口ばかり言われていた時に初めて評価してくれたのがトニーさんで、いまだに恩義を感じている。