誰もがみんな子どもだった…家族を思い童心に返る映画『天才スピヴェット』ほか
そんなある日、グレイスに妊娠が発覚。そして、引き取り手のない生意気な女の子ジェイデンが「ショート・ターム」にやってくる…。
自らもショート・タームで暮らす少年少女たちと同じ経験を抱える主人公・グレイスを演じたのは、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの初監督作『ドン・ジョン』でジョセフの妹役を好演していたブリー・ラーソン。本作での演技でロカルノ国際映画祭「最優秀女優賞」を受賞するなど、ハリウッドのみならず世界中から注目を集めている。
傷ついた子どもたちに、セラピストでも、教師でもなく、そばにいてケアを行うだけのグレイスたち。どこまでも中庸に、ただそっと彼らの傍らに寄り添っていく姿は、血のつながり以上の無償の愛を教えてくれる。
そして、家族の映画といえば、イーサン・ホークを始め4人の俳優が12年間、ひとつの家族を演じ続けたリチャード・リンクレーター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』も外せない。
母(パトリシア・アークエット)と姉(ローレライ・リンクレーター)と暮らす、6才の少年・メイソン(エラー・コルトレーン)。もっとも多感な時期に、引っ越しや、別々に暮らす父(イーサン・ホーク)との再会、母の再婚、義父の暴力、父の再婚、そして初恋や初めてのキスなどを経験していくメイソン。