【おいしい映画】加瀬亮&ホン・サンス監督が届ける「心地“酔い”時間」
のオ―ナーヨンソン(ムン・ソリ)と急接近。ワインを飲んでなんだかいい感じになっていくふたりだけども、本来の目的だったクォンにモリは会うことができるのか…というストーリー。
好きな女性を「探しにきた」はずなのに、どこか「待ち」姿勢で、韓国人と酒ばかり飲んでいるシーンが目立つモリの姿に、なんだか見てる側も「ぽわ~んといい気持ち」になってしまうのは、実際にお酒を飲んでの撮影だったという赤ら顔のほろ酔い(?)気味の加瀬さんの姿のせいかもしれません。
男同士の「焼酎&ビール」では本音をぶつけ合い、酔いで声が大きくなっても意気投合。ムン・ソリ演じるヨンソンとの「赤ワイン」ディナーでは少しずつ男女の距離を縮めていき…と、「お酒」の種類からも男女のやりとりの違いが見えるのが面白いところです。
そして終始、「ふわふわ」した感覚を覚えるのは、お酒だけでなく、モリが生きている世界と、ホン監督の演出の賜物。ゲストハウスと彼女の家、そしてカフェ。坂道と路地の多い街の中でいつも「時間」という文庫本を手に迷い猫のようにさまようモリの姿が、時間軸を曖昧にしているように感じてくるのです。
また、ホン監督独特の寄り引きのカットもさらに時間をぐるぐるんとかき回すよう。