二宮和也、吉永小百合と初共演で“親子”役! 山田洋次・最新作『母と暮せば』
井上さんはヒロシマをテーマにしたこの作品の外に、ナガサキと沖縄をテーマにした「戦後命の三部作」とも云うべき三作品を作り上げることを晩年の課題とされていました。その遺志を引き継いで、沖縄について彼が残した構想と資料を基にして蓬菜竜太さんが劇化し、『木の下の軍隊』というタイトルですでにこまつ座によって上演されました。残るナガサキについては『母と暮せば』というタイトルだけは決まっていました。
そして井上さんの果たせなかった遺志を継いでこのタイトルでナガサキをテーマにした映画を製作したいという思いを(三女の)井上麻矢さんがかねがね持っておられたのを知り、ぼくは進んでその仕事をお受けすることにしたのです。原爆で死んだ愛する肉親が亡霊になってこの世に現れるというシチュエイションを含め、『父と暮せば』という素晴らしいモデルをお手本にして泉下の井上さんと語り合うような思いで脚本を書き上げました。井上作品独特のユーモアと暖かい涙を引き継いだ作品を、敗戦70周年となる2015年に公開することを意義深く感じています。
山田洋次
『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。
(text:cinemacafe.net)
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