【シネマモード】“ギャップ”で掴まれた心、その先に感じるものは…『きっと、星のせいじゃない。』
(Photo:cinemacafe.net)
世の中には、自分が勝手にイメージしていることと現実との間にギャップがあったということは多いものです。そのギャップはネガティブなショックを与えもすれば、忘れられない素晴らしいインパクトを残すことも。では、意外性に満ちた映画『きっと、星のせいじゃない。』を観たときあなたは、どんな衝撃を受け止めるでしょうか。
主人公は、末期ガンの女の子、ヘイゼル・グレース。制限の多い、退屈な日々を送っていました。そんなある日、ガン患者の会に出席した彼女は、一人の素敵な男の子、ガスに出会います。同じ苦しみや不安を抱える二人は、お互いに共感を覚え、素顔のままでいられることに喜びを見出し、急速に接近していくのです。
患者ならではの本音を吐きだし、ときに笑い合う様子からわかるのは、私たちにはなかなか知ることができなかった、ストレスの正体。“病”そのものだけでなく、病を理由に気を使われる寂しさや、人々が寄せる同情が引き起こすやるせなさが、大きな理由なのかもしれません。普通でいたいというごく当たり前の願いが、二人をより強く結びつけたのでしょう。互いを腫物に触るように扱うのではなく、対等に接することができることが何よりも嬉しかったのかも。