【ディズニーが描く現代女子なプリンセス vol,4】『アナ雪』以降のディズニーが描く“女性像”
何よりも重要だったのは、アナとエルサが見せる力強さが、女性すべてに備わったポテンシャルだと改めて気づかせた点。女性が強くなった…のではなく、時代の変化とともに、内に秘められた可能性が輝きを増した事を示したのだ。
もう1本、忘れてはいけないのがアンジェリーナ・ジョリー主演の『マレフィセント』だ。1959年に製作されたディズニー・アニメーションの名作『眠れる森の美女』を、悪役・マレフィセントの視点から描いた同作は、暗い過去を背負った彼女と、自らが呪いをかけたオーロラ姫の間にある(擬似的ではあるが)母性を描き、それまでのマレフィセント像を見事に刷新した。2人の関係性に、多様化する家族のあり方も、そして“本当の愛”についても気付かされることとなる。
こうして時代と共にディズニーが提示した新たなヒロイン像のエッセンスは、「おとぎ話のその後」を描いた『イントゥ・ザ・ウッズ』で、さらに現実的になっていく。例えば、シンデレラは王子様から偶然に見いだされる幸運の持ち主ではなく、幸せになる必然を引き寄せる自立した女性として描かれ、さらに彼女は王子様を得た後、「めでたし、めでたし」の後の自分の幸せについて考える事になる。