【インタビュー】<後編>北野武×藤竜也 ジジイの楽しみ方、人生の幕の引き方
北野監督:まあ40代から50代の人間は「たけしさんを見て育ってきました」って言い方もするけど、そのこどもの世代となるとおれが漫才やってたことも知らないし、「ひょうきん族」とか「元気が出るテレビ」も知らないから、それこそブランドとして北野武、ビートたけしを知っているというところはあるよね。「たけしさんは、監督などいろいろなことをやられて高い評価を得ている方ですよね」みたいな言い方で「お前、知ってんのか?」って聞くと「お名前は」とかね(笑)。これからそういうのも増えてくるだろうね。
藤:僕はね、全然興味ないの。若いとか、年とってるとか。俳優という仕事には全然関係ないからね。子役だって一丁前の俳優ですもん。俳優としていいか悪いか?それだけのことでね。
(世代間の意識差などは)あんまり感じないかな?
――藤さん自身は、若い頃は上の世代を引きずり降ろしてスターの座を掴むといったギラギラした欲望は持っていたのだろうか?
藤:まあ僕らは素材であって、きちんと役をやって、それを監督が使うという存在であって、あまりそこに先輩・後輩はないとは思ってましたね。若い頃からいまも。ただ競争心はありました。僕は日活にいたんだけど、入った時から「いつかここでトップになって、守衛さんに最敬礼でお辞儀してもらえるようになってやる!」