【特別映像】紛争孤児の少年の力強いダンスが心揺さぶる『あの日の声を探して』
両親を亡くし、姉とも乳飲み子の弟とも離ればなれになり、ひとり彷徨う少年ハジに手を差し伸べた、EU職員の女性キャロル(ベレニス・ベジョ)。最初は心を閉ざしていたハジは、キャロルと暮らしを共にしていくうちに、少しずつ心を開いていく。
あるとき、キャロルが忘れ物に気づき自宅に戻ろうとすると、そこにはハジが「ビージーズ」の「You Should Be Dancing」をかけながら、ひとり、力強く踊る姿が。キャロルは何も言わず、そんな彼を見守っている。
チェチェン民族は幼いころから皆、踊りに親しんでいる民族であり、踊りは過酷な状況下で救いの術となるもの。ハジにとってこの踊りこそが、自分の感情を解き放つ瞬間であり、その姿は生命のきらめきと力強さを感じさせ、見る者の心を揺さぶっていく。
ミシェル監督はこのシーンについて、「トラウマを受けた子どもたちが、自分で表現方法を生み出していくということはとても大事。ハジにとってそれはダンスだった。
こういった子たちがアーティストや芸術家になることも多い。そのステップが描かれる重要なシーンです。また、彼が踊るのはチェチェンの民族舞踊なのですが、僕はチェチェン人なのだという意思も感じさせるシーンとなっています」