くらし情報『【インタビュー】<後篇>野田洋次郎 命に向き合い「迷いや躊躇がなくなってきた」』

【インタビュー】<後篇>野田洋次郎 命に向き合い「迷いや躊躇がなくなってきた」

はい、よーいスタート!』と言われたら、そこですることは演技でしかないと思います。でも実際には、共演者の方が周りにいて、本当に不思議なんですが、周りの人たちがこの状況を理解した上で、こちらに言葉を発し、反応し、行動してくれるので、それが僕にとっても真実の世界になって、脳が勝手にこれが本物だと受け入れてスイッチが入って、余命3か月であることを理解していくんです。それはすごく面白い経験でした。普段、僕が一人で嘘をついても、周りがそれに合わせて何かしてくれることはないけど、ここでは『よーいスタート』でみんなで一つの嘘をつく。それは嘘を真実にする作業であり、脳を変化させていくことなんだと気づきました。だから意図的に『おれは余命3か月で…』と言い聞かせるようなことはしなかったのに、撮影が終盤に進むにつれて、周りが僕を見る目、費やした時間や言葉が完全に“死”に向かっていくのが分かるし、何の違和感もなく絶望的な気持ちになっていきました。そこにいるだけで哀しくて仕方なくて、大変でした」。

そして当然のように、ミュージシャンとして、もしもこの状況に置かれたら――?と考えた。


「元々、僕は他の人よりも死を引き合いに物事を考えがちな部分はあったと思います。

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