【インタビュー】<後篇>野田洋次郎 命に向き合い「迷いや躊躇がなくなってきた」
残りの人生がこのくらいなら何を選ぶか?と考えたり、生きる喜びというのを死を引き合いにすることでしか実感できないところがあったり…。でも、いままでそう考えてきたのも所詮は絵空事でしかなかったし、この作品を通して感じたのは、こういう状況で最後に何を作るか?そこでものを作る人間の真価が問われるんだなということ。もちろん、最初は苦しんで、のたうち回ると思いますが、最後に自分は何を発するのか?それは、その人がどう生きたかでもあると思う。やはり、自分は曲を作るでしょうね。宏として映画の中の世界で生きて、改めてすごい経験だったし、単純ですが『おれはこのまま生きてていいのか?』とも考えたし、生きる喜びにも触れることができました。もう宏はこの先ずっと、僕の中にい続けるだろうし、だからこそ、まだまだできることをやりたいとも思う。そういう意味ですごく思考がクリアになって、迷いや躊躇がなくなってきたのかなと感じています」。
フィクションの世界で死を受け止めたことで手にした生への思いを胸に、野田洋次郎はさらなる一歩を踏み出す。
(photo / text:Naoki Kurozu)
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(C) 2015「トイレのピエタ」製作委員会
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