2016年2月29日 11:30
日本公開は無理?キム・ギドクが福島原発事故を描いた問題作『STOP』ゆうばりで大反響!
だが「人間には神が与えた“忘却”という恵みがあります。肉親の死を忘れることなどよくない記憶を忘れるという忘却もありますが、一方で、問題があることを知りながら忘れるという危険な忘却もあります。忘れることで楽になるのではなく、苦しくても環境を変えていく努力が必要なのではないでしょうか?」と訴えた。
本作の脚本は、原発事故の発生後2か月ほどの段階で執筆を始めたそうで、2014年の秋に撮影が行われた。そのプロセスでチェルノブイリの原発事故の資料を集めたとのこと。「センシティブな問題であるとはわかっていますが、これは我々の世代だけでなく次の世代にかかわる問題であり、未来に残してはいけない。そんな思いで妊婦を主題に置くことを決めました」と明かした。
映画の中には、震災から7年後という設定で、通常の人間の何千倍も聴覚が発達した人間が登場するが、ここにも監督のメッセージが。
「原発に関しては賛成、反対どちらの意見も存在しますが、政府は反対派の声を聞きません。聞かないといけないものを聞こうとしない――それこそが障害ではないのか?というメッセージです」と語った。
日本での配給会社や劇場探しは難航しそうだが、韓国でも同じよう。