2016年3月1日 18:00
【シネマ羅針盤】今年のアカデミー賞、テーマは「生還」 “マッド”な現代社会への警鐘?
である。ブリー・ラーソンが主演女優賞に輝いた『ルーム』は、7年もの間“部屋”に監禁された女性とその幼い息子の生還劇を描いた。
最多6部門を獲得し、オスカーナイトの裏番長として大暴れした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。独創的なビジョンと決死のアクション、徹底的に構築された空間芸術が描いたのは、マッドな近未来を駆ける男と女たちのシンプルな力強さだった。すべてを失ってもなお、生きることをあきらめない主人公・マックスはこう叫ぶ――「本能がおれに命じる、生き残れと」。
今年のアカデミー賞が、生還をテーマに選んだのは、混迷する現代社会へのハリウッドなりの警鐘かもしれない。このままでは、本当に世界がマッドな状況に陥ってしまう…いや、すでにマッドな世界だからこそ、いかに生還すべきか真剣に考えるべきだと訴えているのだ。晴れの舞台で、切迫した環境問題に言及したディカプリオの姿も印象的だった。
(text:Ryo Uchida)
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