くらし情報『【インタビュー】『めぐりあう日』実母を求める心の旅…主演セリーヌ・サレットが語る』

【インタビュー】『めぐりあう日』実母を求める心の旅…主演セリーヌ・サレットが語る

この1節が読み上げられるラストシーンは、親子や家族の普遍の愛と命の誕生の賛歌を謳い上げ、いつまでも心に深い余韻を残す。「力強い物語に思わず涙がこぼれました。どうしてこんなふうに感情を揺り動かされてしまうのか、意外にも思えることでしたが、とにかくそんなふうでした」と、セリーヌは最初にこのシナリオにふれたときのことを、そうふり返る。

「物語そのものがもつ強さと言っていいのでしょうか。それが、映画の力強さにもなっているのです。あの瞬間に感動したと誰かが言ったとき、それは映画のどの瞬間でもあり得る。観客ひとりひとりが、それぞれ違ったシーンで感動したとしてもおかしくない、そんな力強い瞬間にあふれています。しかも、それらのシーンはけっして感傷に流されるままに演出されたものではないのです。
その意味で、彼女の処女作『冬の小鳥』にきわめて近い映画だと思います」と、セリーヌは自身の感触を明かす。

確かに、ルコント監督が自らの思いを切り離すかのような緻密さで描く1つ1つのシーンは、観る者を常に刺激し、あらゆる感情を誘発させる。「たぶん、背景となっている現実や状況がみごとに構成されているからではないでしょうか」

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