くらし情報『【シネマモード】喪失をきっかけに自分と向き合う…『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』』

2017年3月1日 21:00

【シネマモード】喪失をきっかけに自分と向き合う…『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』

Photo by cinemacafe.net

親しい誰かが亡くなったとき、泣くのは当たり前。涙が出ないから冷たい人。たぶん多くの人にとって、それが普通の考えでしょう。涙と悲しみはワンセットだと。でも、人間の感情はそれほど単純ではないはず。

映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』は、車の事故で同乗していた妻を突然に失ったデイヴィスをめぐる物語です。一風変わっているのはこれが、そんな不幸を前にして、悲嘆にくれる男の話ではなく、一滴も涙を流せずにいる男の話だというところ。泣けない自分を分析するうち、デイヴィスは自分が妻を本当に愛していたのかとか、自分はどこか変なのかとか、戸惑いを覚えるのです。
涙を見せない彼を心配していた周囲もやがて、訝しがるようになります。

そんな彼に義父は「心の修理も車の修理も同じこと。まずは細部まで点検し、組み立てなおせばいい」といいます。それをきっかけに、デイヴィスは周囲にある、あらゆるものを破壊しはじめました。その行動は、人々の目に奇異に映ります。心配し続けてくれた義理の両親も彼の行き過ぎた行動についていけなくなります。義父が与えてくれた恵まれた環境も失うことになった彼は、いったどこへ行くのか。それが本作の核心です。

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