C・ノーラン、『ダンケルク』は生き残りをかけた“撤退”の物語
「皆さんは戦争映画のセレクションを期待するかもしれません。しかし、私は『ダンケルク』を生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択しました。芝居がかった大仰な演出による映像で現実世界の戦闘を見せることの危険性がすぐにわかるはずです」と語っており、ノーランの並々ならぬ映画愛と究極の映画体験となる『ダンケルク』への揺るぎない自信が伝わってくる。
キーワードは“緊迫感”と“映像表現”だ。デジタル化が進む映画業界だが、ノーランはフィルム上映にこだわり続けており、今回セレクトされた11本の映画は、現在でもフィルム上映を続けるロンドンのBFIサウスバンクで、35ミリまたは70ミリでフィルム上映される(現地時間7月1日~31日まで)。
革新的作品で観客を熱狂させ続けてきたノーランが初の実話に挑み、圧倒的臨場感で観る者を“ダンケルク”の地へと誘う本作。ノーランがセレクトした11作品にも注目しておきたい。
<クリストファー・ノーランセレクション>
■人間性を問う、「戦争が人間性を奪う」という普遍的なメッセージと映画表現
・『西部戦線異状なし』(1930年)ルイス・マイルストン監督アメリカ
■タイムリミット・サスペンス&圧倒的な緊迫感→巧みな技巧により、観客を引き込む。