『童貞。をプロデュース』上映中止騒動の経緯が明らかに
さらに本作における映像の多くは加賀氏自身による撮影素材によって構成され、その映像素材を、松江監督が構成・編集するという共同作業によって作成されたものだそう。「本作品の中には、松江監督と加賀氏が共にアイデアを出し合って撮影されたシーンもあります。本作品の撮影現場は、暴力的な演技指導や、実際の暴力が行使される現場では決してありませんでした」。
「よって、性的なシーンの強要やパワーハラスメント等の違法または不当な行為は、『童貞。をプロデュース』においては存在しません。加賀氏の一方的な主張を受けて一部で喧伝されているような、本作が暴力で作られた映画であるという風評は、すべて事実無根であり、明確に否定します」。
「もっとも、法的に強要と評価される行為がなかったとはいえ、結果として加賀氏が本作品への出演に不本意な思いを残しており、そのような思いが今回の言動につながったであろうことは否定しきれません。その意味において、製作側としても、法的責任とは異なる表現者としての責任は感じています。
映画の製作・公開の過程で出演者を傷つけることがあるという、広い意味でのドキュメンタリー映画の暴力性については、松江監督は従来も考えてきましたし、今回の事態を受け、いっそう真摯に考えていく所存です」。