【シネマモード】ベートーヴェンの名曲をカラダで表現――東京で叶った、圧巻のステージの裏側
彼が作り出した「第九」の動きはとても有機的で、クラシックバレエにおける「美」を追求した動きとは少し違います。物語を表現する「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」とは違う、とても野性的な動きです。これはモダン・バレエのジャンルに入るのかもしれませんが、とても原始的でパワフル。そこには理論よりも本能を感じるのです。それは、音に忠実な反応としての踊り。クラシックバレエよりもっと本能を感じさせるプリミティブな躍動をもって、「第九」は根源的な魅力の表現方法を新たに得たのかもしれません。
本作を観てこの名曲に興味を抱いたなら、この年末年始にルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調作品125」をフルバージョンで聴いてみてください。人類最高傑作の新たなる魅力を見つかるはずですから。
(text:June Makiguchi)
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