くらし情報『【シネマモード】大切なものは“不変” ファッションも、人生も『BPM』』

2018年3月28日 20:00

【シネマモード】大切なものは“不変” ファッションも、人生も『BPM』

の運動と、そのメンバーたちを描いた物語。

実話を基にした作品だけに、進行する病を抱え、迫りくる死の恐怖に直面しながらも、それを原動力に過激な活動を繰り返すメンバーたちの姿は、焦燥感でひりつくよう。HIV/AIDSという見えない敵との戦いは、彼らへの偏見や差別をあおり、問題を真剣にとらえようとしない“卑怯者”たちとの戦争でもあったのです。

いまでこそ、治療薬や治療方法が発見され、HIVに感染してもきちんと治療しさえすれば、死に至ることはなくなりました。でも、それは患者やその家族、彼らの置かれた状況を問題視する人々が、仲間の死という多くの犠牲を払いながらも勝利をもぎ取ったから。

彼らが手にしたのは、捨て置かれず、きちんと社会の中で生きていく権利。どんな人生を送っていても、命をないがしろにされない権利。誰かを差別している社会は、もっともらしい理由さえあれば誰でも差別されかねない社会です。
それを知る「ACT UP-Paris」メンバーたちがミーティングで行っていた議論の様子を知ることは、自分がどう扱われるべきかという基本的人権を認識するうえでも、とても有意義なのです。

当時を知らない読者には、驚く事実ばかりかもしれませんが、登場人物たちのファッションがキュートな90年代スタイルで親しみを感じられるものなので、そこをきっかけにメンバーたちに感情移入できるかもしれません。

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