星野源、『引っ越し大名!』は時代劇版「逃げ恥」津崎!? 愛すべきダメンズ役がハマる
こうしてみると、どの役にも共通するのは「最初はどこか頼りなく、情けないが、物語を通して成長していく」というキャラクターが多いこと。星野さんと“ダメンズ成長物語”の相性の良さが伺える。そして最新作『引っ越し大名!』で演じる片桐春之介という男は、まさに星野さんをひときわ輝かせる愛すべきダメンズだ。
全ての藩士とその家族全員で引っ越さなければならないため、参勤交代をはるかに上回る費用と労力がかかる引っ越し(=国替え)をテーマにした本作。そんな無理難題な引っ越しを生涯に7回も命じられ、「引っ越し大名」と呼ばれた実在の大名・松平直矩のエピソードを基に、姫路藩の藩士たちがお国の一大事にあらん限りの知恵と工夫で引っ越しを乗り切ろうと奮闘する。
星野さん演じる春之介は、引っ越しの一切を取り仕切る“引っ越し奉行”に任命されるが、彼は人と話すのが苦手で、何よりも本が大好きな“引きこもり侍”。引きこもりすぎて、まわりからも“かたつむり”という不名誉なあだ名で呼ばれるわ、大役を任されるとその責任の重さに耐えきれずに全力で逃げ出そうとする、武士らしからぬダメっぷりを発揮。そんな春之介が覚悟を決め、失敗すれば切腹は確実の“城ごと引っ越し”という一大プロジェクトに挑んでいくが…。