元ゾンビが社会復帰、差別への怒りは復讐心に…『CURED キュアード』予告
監督・脚本コメント
映画製作者としての私の情熱は、常に気の利いたジャンル映画を作ることにあった。ゾンビものに病的なくらい魅せられていた。現代の社会問題を見事に反映することのできるジャンルだからだ。そんなゾンビ感染に治療法があったらと考え始めたら、止まらなくなった。治るという状況は、元ゾンビにとってどんなものになるだろう?
治癒しても感染していた頃の行いの記憶に悩まされるという概念は、恐ろしく、とりわけ悲痛なものだった。その思いは私の心の中で渦巻き続けた。家族は元ゾンビを受け入れるだろうか? 本当にまた人間になれるのか? 登場人物を造形し、それを基盤にして『CURED キュアード』の世界を作った。
私はヨーロッパ中に救済措置と抗議が広がっていた頃、この脚本を書き始めた。
当時も存在し、今でも残る激しい怒りの空気が私の執筆を焚きつけた。あれは自分には手に負えないことによって苦しめられ、責任を取らされるということに他ならず、それは本作の元ゾンビたちとまったく同じだった。彼らの行動に対する責任と罪はどこにあるのか。そして、記憶に取り憑かれている本人にとって、そんなことは本当に重要なのだろうか?
また、私はメディアや政治家が自らの目的のため、いかに人々の恐怖心を煽るかにも興味を抱いた。