恋人たちを包む水辺のデート写真『WAVES/ウェイブス』
個人的でありながら半自伝的な要素がとても多かった。僕が高校生活を送っていた時とは全く違う時代だけれど、作品に出てくる高校生たちと同じようにテキサスで育ったし、彼らの日常に親しみも持てた。すごく真実味があったんだ」とシュルツ監督。
「現代版の『バッド・チューニング』を作れないだろうか?と思ったよ。リンクレイターからは自然体であることの大切さを学んだ。そうすることでキャラクターやその人生に信憑性を持たせることができるんだ。『ビフォア』シリーズは大のお気に入りだよ」と語る。
リンクレイターもまた、水辺のシーンを美しく撮る監督。
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』では主人公が恋心を寄せる女性と川に遊びに行き、そこでキスを交わし、『ビフォア・サンセット』では9年後に再会した男女が川沿いを歩き、船に乗りながらお互いの9年間について語り合い、『6才のボクが、大人になるまで。』でも離れて暮らす父子がキャンプで川を訪れ絆を深めるシーンがある。
本作でも、人間関係を1歩進めるロケーションとして水辺を選び、それを美しく切り取っていく。その映像の美しさに酔いしれてみてほしい。
『WAVES/ウェイブス』は4月10日(金)