くらし情報『変わりやすい? 女心と秋の空vol.1 『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』』

2009年9月18日 15:47

変わりやすい? 女心と秋の空vol.1 『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』

(Photo:cinemacafe.net)

(Photo:cinemacafe.net)

変わりやすいものの代表格といえば、女心と秋の空。予測がつかず、一寸先もどうなるかわからない。9月はそんな女心を見事にとらえた作品をご紹介したいと思います。

初回は、第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』。太宰治原作の「ヴィヨンの妻」をベースに、いくつかの太宰作品の要素を取り入れた作品です。主人公は小説家の妻、佐知。そして、この小説家というのが、借金を抱え、女グセ、酒グセがとことん悪いダメ男。そんな夫を健気に、明るく支える妻の姿を通して、男と女の本質の違い、他人にはわからない夫婦の絆について描いています。


正直なことを言ってしまえば、この妻の気持ちは、女性の私にも分からないところが多々あります。太宰自身をモデルにしている放蕩夫は、ほかの女性との心中を繰り返し、問題を起こすたびに自分勝手な理論を展開し、悪びれもしません。浮気なら許せる人でも、愛人と心中までされたのではあまりにやるせないのではないのでしょうか。自分を置いて、ほかの人と消えてしまおうとするなんて、そんなのまさに、“存在の耐えられない軽さ”というものです。

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