ヨーロッパ発“幸せ”を運ぶバディムービー3選『100日間のシンプルライフ』ほか
不慮の事故から車いすで生活を余儀なくされた大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)とその介護者として雇われた黒人青年ドリス(オマール・シー)が、立場を超えて友情を育む実話を基にしたヒューマン・コメディ。
介護者を探していたフィリップは、面接者の中で唯一“同情”を見せなかったドリスを採用する。常識外れの行動をするドリスに周囲は驚きを隠せないが、フィリップにとってドリスとの関係は心地よく、ドリスも新しい世界を知って2人の絆はどんどん深まっていく。
フランスで異例のヒットを記録し、満を持して2012年秋に日本で公開となった本作。日本でも社会現象ともいえるレベルでヒットし、かつて一大ブームを巻き起こした『アメリ』(01)を抜き、11年ぶりにフランス映画の日本国内興収記録を塗り替えた。
涙を誘うのではなく、あくまで2人のやりとりにフォーカスがあてられ、散りばめられたユーモアの数々と芽生えていく強い友情が心を揺さぶる。伏線がつながっていく感動のフィナーレにも要注目。楽しい生活、幸せな人生を形作るものが何かをダイレクトに訴えかけてくる名作の1つ。
動くログハウス!? 夏の日の少年たちの逃避行『グッバイ、サマー』(2015)