切ない宿命を背負った“水の精”と男の出逢い…『水を抱く女』日本版予告
本作のモチーフは、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた、“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作した。
また、ゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、近年再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場。ジャン・ジロドゥの戯曲「オンディーヌ」から手塚治虫「七色いんこ」(「オンディーヌ」)、劇団四季「オンディーヌ」などが生まれるなど、天才たちを魅了し続けてきた物語だ。
ペッツォルト監督は、「『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』と同様に、本作は愛についての物語です。しかし、それら過去作は不可能な愛、傷ついた愛、あるいは発展を予想させる愛について語っています。今回は愛がどのように発展していき、心にどのように残っていくのかを描きたかったのです」と語っている。
予告編と併せて解禁されたメインビジュアルは、「愛が終わるとき、哀しき殺意のとき」というコピーとともに、男の肩越しにこちらを見つめるウンディーネの視線が印象的な1枚に仕上がっている。