2021年10月11日 15:30
ジョディ・カマー、中世に実在した女性の「物語を語ることはとても光栄」『最後の決闘裁判』N.Y.プレミア
の視点で話を導き、観客を2人の男性の間にある選択に引きつけ、そして2人の話では完全に無視されていた女性の世界(マルグリットの視点)を明らかにする、というアイディアでした」と明かす。
「当時は、あるいは映画全般でその傾向があると言えるのですが、女性は個人ではなく(夫もしくは父親の)所有物とみなされていたため、彼女の視点で描かれる第3幕こそが、客観的真実になると思ったんです。なぜなら、彼女だけが、自分自身が人間だと理解して物語を語っている唯一の存在だからです。それが脚本の構造のアイディアでした」と、史実の中でも埋もれてきた女性視点の物語を、最大限効果的に描き出す手法として3部構成を用いた意図を語った。
24年ぶりに共同脚本に挑んだベンは「マットと一緒に仕事することは楽しかったですし、この映画をとても誇りに思っています」と製作の裏側をふり返りながら、その出来栄えを力強くアピール。共演者であり、本作でも特に重要な役どころであるマルグリットを演じたジョディとル・グリを演じたアダム・ドライバーに対し「ジョディは素晴らしく、アダムは本当にすごい。登場人物の視点で描かれる物語の中では、演技の微妙な差によって本当の物語が現れてくるので、とてもデリケートな表現力が必要だったんです」