くらし情報『ハリウッド映画界の悲劇・拳銃誤射事故はなぜ起こってしまったのか…撮影現場にあった事故前の予兆』

2021年11月4日 17:30

ハリウッド映画界の悲劇・拳銃誤射事故はなぜ起こってしまったのか…撮影現場にあった事故前の予兆

シガラミもあるだろうが、メインの理由は予算との兼ね合いだろう。一番大きな出費となる俳優の出演料を値切ることは非常に難しい。よってしわ寄せがくるのは、スタッフへのギャラだ。しかし危険な銃を扱うスタッフを経験の浅い人間に任せるばかりか、最初の事故が起きたときに誰もケガをしなかったことから、ルールに反して知らぬふりをしているプロデューサーたちにも大きな責任があると思われる。(アレック・ボールドウィンはプロデューサーのひとりとして名を連ねている)

撮影現場におけるAD(助監督)の大切さ

出来るスタッフはギャラが高い。特に米国におけるADは、高給取りであるうえに製作陣営で非常に上の立場にある。日本のバラエティ番組などでよく制作ADがイジられる場面を目にするが、米撮影現場ではありえない光景なのだ。

米国の1st AD(第1助監督)は、準備の段階から撮影の流れにおいて最高指揮官となり、安全面や時間の仕切りにおいては、監督の上をいく権限を持ち合わせている。
監督が無理を言い出したりすれば、出来ないことは出来ない、危険すぎる時にはストップをかける絶対的な権限を持っている。出来るADは、撮影を円滑に進行させるための知識、細部への注意、冷静さ、そしてリーダーシップが必要で、この特殊技能を備えたADはギャラも非常に高い。

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