中国市場の締め付けとシリーズ作品以外の危機 「パンデミック&配信シフト」以降も激震が続く映画界
を記録、その時点でのパンデミック後の公開週末興行成績の最高額を記録。注目すべきは、ワーナーの2021年公開作品の方針に従って、北米で『ゴジラvsコング』は劇場公開と同日にHBO Maxで配信公開されたこと。「巨大怪獣同士の対決」のようなスペクタクル性の高い作品ならば、人々はテレビで見られる作品でも劇場に駆けつけることを証明した。10月には同じワーナー作品の『DUNE/デューン 砂の惑星』が、クリストファー・ノーラン作品のようなIMAXカメラでのフィルム撮影ではなく新たなIMAX規格によるデジタル処理によってIMAXのポテンシャルを極限まで引き上げたことで、「映画館で見る映画」の価値の周知に大きく貢献した。
『ゴジラvsコング』に続いて大ヒットを記録したのが、5月に世界公開、続いて北米では6月に、日本では8月に公開された大人気シリーズ9作目の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』だった。同フランチャイズの特徴は欧米だけでなく中国や南米を含む全世界の各地域において絶大な人気があること。それだけに、パンデミック後の世界の映画興行を占う上でも注目されていたが、結果的には7億2600万ドル(約835億円)