中国市場の締め付けとシリーズ作品以外の危機 「パンデミック&配信シフト」以降も激震が続く映画界
を超える世界興収を記録。シリーズ最高のヒットとなった前作『ワイルド・スピード ICE BREAK』の累計世界興収が12億3600万ドル(約1420億円)なのでそこからは約40%減となったわけだが、とりあえず2021年半ばの時点で、全世界的に劇場映画マーケットの半分以上は回復したということを示してみせた。
しかし、2021年は今後のハリウッド映画の方向性を左右する、もしかしたら配信シフトよりも大きなインパクトかもしれない変化が決定的となった年でもあった。2020年、パンデミック以降の映画市場の回復が他国よりも早かった中国は、北米を大きく上回って歴史上初めて名実ともに世界最大の劇場映画のマーケットとなったわけだが、今年に入ってから外国映画の国内公開における規制を極端に強めている。ディズニーは2021年7月以降、『ブラック・ウィドウ』、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、『エターナルズ』とMCU作品を立て続けに公開して、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』以降の作品は劇場公開からディズニープラスでの配信までの期間をおいたこともあって尻上がりに好成績を記録してきたが、いずれの作品も中国での公開は見送られている。