誰が真の“所有者”なのか?衝撃シーンの連続『ポゼッサー』狂気に満ちた本予告
その後、テイトに乗り移って暗殺を遂行しようとするタシャだったが、他人の脳から脱出するためには、その脳を破壊しなければならない。口の中に銃を突っ込み、引き金を引こうとするタシャだったが、どうしても撃つことができない。テイトの脳から抜け出せなくなったタシャは、その異常事態に慄き「私に何をした 私じゃない」と呟く…。
同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイトの攻防が、眩い光の点滅、流動する人体の輪郭と、フィジカルな特殊効果により、独自の美しさによって描かれていく。誰が真の<POSSESSOR/所有者>なのか?自分は自分の<POSSESSOR/所有者>でいられるか?最後に映る、まるで人間の抜け殻になったかのような、タシャのマスクを被った異様な姿も強烈なインパクトを残す。
アメリカの評論家エリアス・サバダは本作を「シェイクスピアも辿り着かなかった悲劇であり、ブランドン・クローネンバーグ監督は1段階ランクをあげた。彼の持つ闇は底無しだ」(※「Film International」)と評して絶賛。我々のアイデンティティを揺さぶり、人間性の闇の底へ誘うかのような作品だ。ちなみに本作は、作品の主題と描写が極めて刺激が強いため、18歳未満は閲覧禁止となっている。